先日、紹介した『さよなら寺山修司追悼特別号』で、再掲されている三島由紀夫との対談(1970.7『潮』より)で、太宰治について述べられています。
三島由紀夫の自信へつながる前段で「太宰治が体操やれば思想が変わったろう」ということで今も思っているかと寺山修司が訪ねられ、三島は「いまでもそう思っている。」と答えてます。三島の「太宰嫌い」は有名です。
三島はボディビルを行い、肉体改造を行い、一方、太宰は酒とタバコ、そして薬物(これは仕方ない部分もあったのですが)に頼らざるを得ないいわば「対極の2人」です。
しかし、太宰にも健康的と思える作品はあります。その代表作のひとつが、『正義と微笑』実際の日記を元に、太宰が創作した作品で、思春期の自然な、健康的な内容です。「微笑をもて正義を為せ」は太宰には出てこなさそうな言葉。明るめの代表作では「走れメロス」や「グッドバイ」があげられますが、青春の1ページが綴られていて、太宰の印象を変えます。
一方、三島由紀夫は太宰の対極に有るように見えますが、檀一雄のエッセイ集『海の泡』の「三島由紀夫」では、学習院時代と大きく変わったことが綴られています。
三島は太宰の中に、過去の自分を見た嫌悪か、変わらなくていい太宰を羨ましくおもったのか、それとも太宰を憎む事で自分の軸を持ち続けようとしたのか、そんな単純でもないでしょうが、直接あったことが一度しかない2人がこのような状況になってしまうのか、強い光をもった2人だったからもしれません。
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※下記古書店には、ご紹介している本があるか分かりませんが、
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今回の『海の泡』(講談社文芸文庫)はここで購入しました。
2020年06月07日
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