2020年05月31日

お腹が空いたら『肉まんを新大阪で』平松洋子(文春文庫)

かこさんの『カラスのパンやさん』、子どもの「食べたい」気持ちを誘います。
一緒に読んでいる大人はどうかというと、そこは同じ人間、
当然ながらお腹が空きます。
ああ、お腹が空いた。絵本を読んで子どもを寝かしつけた後、
ふとある文庫を手に取ります。
この文庫本『肉まんを新大阪で』は、
食べ物のエッセイの第1人者 平松洋子さん。

今は出張が厳しい状況だが、以前は昼前に新大阪から新幹線にのると、
なんとも言えないお腹が減るにおいが。

我慢しても、我慢しきれない。そこにはあの『551蓬莱』
いや「豚まん」だろ、「肉まん」じゃないよ。
いやいや全国ベースでは「肉まん」だろう。
そんな呼び方も
豚まんを一口かじれば、熱々の肉まんの肉汁を味わえば、
そんな事吹き飛んでしまう。
美味しさはネガティブな気持ちも吹き飛ばす。
平松洋子さんのエッセイはそんなパワーを感じさせます。
一方、郷愁を感じさせるエッセイも。
「さよならの季節」は自分がお邪魔したおそばやさんの消息を。
特に新型肺炎で、そんなことも増えるかもしれません。
平松洋子さんのエッセイを、
もっと純粋に読める日々が帰ってくることを祈ってます。

『肉まんを新大阪で』平松洋子(文春文庫)

e-honホームページ
https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033759437&Action_id=121&Sza_id=B0

hontoホームページ
https://honto.jp/ebook/pd_30075562.html

※下記古書店には、ご紹介している本があるか分かりませんが、
個人的に(あくまでも勝手に)古書店を応援させていただいてます。
在庫の有無は、必ずご確認ください。古書店さんは、一期一会です。
太田書店さん (阪急古書のまち、石橋本店、Webがあります。)
http://ota-shoten.noor.jp

ちなみに551のページは以下がリンクです。
551蓬莱さん https://www.551horai.co.jp
posted by あた at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介

2020年05月24日

未来を見通す力『未来のだるまちゃんへ』かこさとし(文春文庫)

かこさとしさんと言えば、『カラスのパンやさん』、『だるまちゃんとてんぐちゃん』でよく知られた絵本作家。かこさんは、2018年に逝去されますが、逝去される数年前に自叙伝が発刊されます。
この自叙伝『未来のだるまちゃんへ』は、自らの人生を振り返り、これからを生きていくこどもたち、ひいては親にメッセージを伝えます。そのメッセージでは、人類への警告も含まれてます。
つまり、人間の世の中が発達しても、人間は決しておこがましくなってはいけない、その結果、人類は滅びるのではというものです。

作品にもそのメッセージは色濃く反映されてます。
NHK教育『日曜美術館「かこさとし最期のメッセージ未来を生きる子どもたち大人たちへ」』で、かこさんが生前、作成した『宇宙進化地球生命変遷放散総合図譜(下図)』を見た生物学者の福岡さん、海洋研究開発機構の小栗さん、国立科学博物館の齋藤さんは、その下図の底にある思想に驚きを感じつつ、さらにその系譜に人類への警告を感じ取ります。

短いページ、文字が少ない絵本だからこそ、そして戦争を経験したかこさんだからこそ、その言葉、着想には重みを感じる事ができます。

語り口は静かですが、力強い、地に足がついたメッセージを、未来の「だるまちゃん」はちゃんと受け止めるか、かこさんの祈りともとれるメッセージが心にせまります。

『未来のだるまちゃんへ』かこさとし(文春文庫)
hontoホームページ:https://honto.jp/ebook/pd_28275684.html

e-honホームページ:https://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000033531279&Action_id=121&Sza_id=B0
posted by あた at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介